古文書整理 夏季集中作業2022:地域の歴史を護り、継承するために

2022年09月08日 [カテゴリー:紹介]

古文書整理 夏季集中作業2022:地域の歴史を護り、継承するために

行政政策学類では、古文書学実習の一環として、阿部浩一が代表を務め、本学類に事務局を置く「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」と連携し、2014年度から毎年夏に2日間の夏季集中作業に取り組んできました。コロナ前は、県内外から卒業生や市民ボランティアが集い、多い時で40名近くにもなる一大イベントでした。

2022年度は、市民ボランティアの募集は引き続き見送らざるを得ませんでしたが、これまで毎年のようにご参加いただいていた歴史・文化財の専門の先生方に限定してお声がけし、若干名の卒業生の応援も受け入れるかたちで実施しました。

今夏は、3月の福島県沖地震で被災した建物から救出した資料の記録整理を行いました。

おそらく何十年?もの間、手つかずのまましまわれていた資料は土埃まみれなので、クリーニングしたうえで、整理のための番号づけや封筒入れ、箱詰めなどの作業を行います。

クリーニングの際には、作業者が埃やカビを吸い込まないよう、防塵マスクをつけて、空気清浄機の備わった専用の機材を用います。

大切なのは、万一の滅失に備えて文字情報だけでも後世に伝えられるよう、データを残すことです。手分けして撮影にも取り組んでもらいました。

普段の実習ではなかなかできないことに取り組めるのも、夏季集中作業の特徴です。

撮影した画像をもとに目録を取りますが、経験者の卒業生たちに指導してもらえたので、だいぶ助かりました。

資料の中には、古文書や書籍ばかりでなく、美術工芸品や民俗資料が含まれることがあります。今回は書画のクリーニングと撮影に取り組みました。

そして、襖の下張り文書はがしです。

古い家の襖などには、下張りにいらなくなった古文書が使用されていることがあります。

2018年度から毎年少しずつ剥がしてきましたが、ようやく終了しました。

博物館の先生のご指導のもとで、コツをつかむとだんだん面白くなり、誰もが集中して黙々と作業に取り組んでいました。

おかげさまで、今年度の夏季集中作業も無事に終了しました。

日常を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうですが、学生のうちに経験できるさまざまな学びの機会を、可能な限り提供していきます。

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