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2016年度ドイツ研修旅行(行政政策学類の海外フィールドワーク)
2017年05月03日 [カテゴリー:ゼミ]
2016年度の「政治過程論演習」では、ゼミ生22名+教員1名で、ドイツ研修旅行を企画し、実施しました。
人口減少と高齢化に伴う地域の衰退に歯止めをかけ、持続可能な地域とふるさとをどう作るか、という日独共通の課題に取り組むプロジェクトです。
2016年度のドイツ研修旅行は、これまで本学類が行ってきた海外フィールドワーク実習とは違う特色があります。
それは、2016年度のプロジェクトが、福島大学とドイツ、マルティン・ルター大学ハレとの共同プロジェクトとして企画・実施されたことです。
(マルティン・ルター大学ハレ/ヴィッテンベルク)
私たちは、再生可能エネルギープロジェクトで、持続可能な村づくりを成功させた、ドイツ・バイエルン州の「エネルギー自給の村」グロースバールドルフ(住民約900名)とウンスレーベン(住民約950名)を訪ね、村民宅にホームステイをしながら、フィールドワークを行いました。
グロースバールドルフには、地域の農業や畜産業、また、スポーツ協会の活動などと組み合わせる形で、この村独自の住民参加の方法で(資本提供から、原料供給、システム運営、そして事業利益の分配まで)、太陽光発電施設、バイオマス発電施設、地域暖房供給システムが回っていました。
(グロースバールドルフ・クレッフェル農場での研修)
(バイオマス発電施設の見学)
プロジェクトの成功の秘訣、それは...
プロジェクトがすべて、村民参加の「協同組合」方式で立ち上げ、運営したこと。村内におけるスポーツや芸術活動を担う各種協会(ドイツ語でいうVerein)の日常的な活動が、新たなコミュニティ活動である「エネルギー協同組合」の設立と運営を容易にしたこと。現代的でありながら、濃密な住民同士のコミュニケーションを深める仕掛けが多数用意されていること。こうしたすべてを支えるための小さな自治体としての自治の仕組み(900名の村に選挙で選ばれた議会と村長がいます)が機能していること。村の日常が回る仕組みに合わせるように、再生可能エネルギー創出システムを編み上げること...
などです。エネルギーを作る前に、それがうまく回るための仕組みがあるという、大発見でした。
(FCグロースバールドルフ・ジュニアとの交流試合)
私たちはさらに、風力発電を通じて村づくりを進める町、ザクセン・アンハルト州ダルデスハイム市も訪れました。この視察研修は、マルティン・ルター大学ハレの学生が企画し、両大学協働のフィールドワークとなりました。
(ダルデスハイム研修)
そして、このプロジェクト最大の目玉が、福島大学とマルティン・ルター大学ハレとの共同開催シンポジウムです!11月10日(木)に、マルティン・ルター大学ハレの歴史ある講義棟「メランヒトン記念講堂」で開催されたシンポジウムでは、福島大学側から4報告、マルティン・ルター大学側から1報告の合計5つの報告が行われました。福島大学側からは、「震災から6年目の福島の今」を伝えるとともに、原発事故を経験せざるを得なかった福島の学生として経験したこと、考えたこと、そして今後どんな社会を目指そうとしているかなどを報告しました。マルティン・ルター大学側からは、大学学生評議会の議員(緑の党)であるラッセ・ヨーストさんが、ドイツの進める脱原発のプロセスについて報告がありました。100名を超える聴講者を交えて、日本語とドイツ語が行きかう活発な意見交換が行われました。
(シンポジウム案内チラシ)
(シンポジウムが今から始まります!)
(シンポジウム終了後の記念撮影)
一緒に出掛けたフィールドワークや協働で開催したシンポジウムは、濃密な日独交流学生交流の時間でした。
もちろんそれ以外の形の交流も...「HIPHOP」交流です。マルティン・ルター大学ハレのダンスパフォーマンスグループを訪れ、ダンス交流も行いました。
(HIPHOPで交流)
マルティン・ルター大学ハレの学内広報誌や、地域紙 Mitteldeutsche Zeitungにも取り上げていただきました!
(Mitteldeutsche Zeitung, 2016.11.12/13)
行政政策学類には、「コアアクティブ科目・海外フィールドワーク実習」がカリキュラムに組み込まれています。
海外の地方都市や中山間地域での生活、そしてそれを持続可能なものにするための仕組み、制度や取り組みには、注目すべきものがたくさんあります。海外の大都市研究に比べ、日本への紹介が進んでいない海外の「田舎」を直接訪ね、住民とともに生活を体験し、取り組みを学ぶことは、福島やみなさんのふるさとの将来を考えるにあたってとても貴重な体験になるはずです。
言葉ができなくても、HIPHOPで交流できます!
行政政策学類の授業科目「海外フィールドワーク実習」を利用して、世界を歩きましょう!