当たり屋情報は偽情報!

(付・情報提供のお願い)

アンケートのページを作成しました(チラシを見た方はご協力ください)

2000年1月13日「読売新聞」大阪本社版の記事でこの現象がとりあげられ、取材に協力しました。


情報提供のお願い2001年も継続中 

  この研究が成就するためにはさらなる情報収集が急務であることを、痛感しています。そこで、このページを通じて               

「当たり屋」の一覧リスト その他様々な情報          

を全国から募集しております。「当たり屋」の一覧リストをで きるだけたくさん集めることによって、情報の変遷をたどり、 最終的には情報の源泉までたどりつけるのではないかと考えて おります。

1998年秋になって、リストをみたという情報が寄せられ始めました。みなさんありがとうございます!流れ始めの時期から情報収集ができると非常に意味のある研究になると思います。なお、全く勝手ながら、

当たり屋チラシの現物もしくはコピーを下記宛に送付してもらえると大変ありがたいです(もちろん、メールなどでお知らせいただいても助かります)。

〒960-1296 福島大学行政社会学部(これだけで届く) 佐藤達哉

 に送っていただければ郵送代をお返しすることはもちろん、論文などをお礼に送らせていただきます。

現在まで、チラシを100枚ほど手に入れていますが、1枚ごとの個性(!)がすごく面白いのです。宜しくお願いします。


「当たり屋」情報は偽情報なんですか?

 はい。この話は昭和61年(1986)ごろから現在にいたるまで 少しずつ形を変えながら全国に流れている偽情報です。この情 報は「当たり屋」の車のナンバーを一覧表にしたリストが付い ていることが特徴的です。情報はチラシの形で流れていましたが、最近では電子メールによるものも見られます。

 しかし、被害の届けはなく、また、リストに記載されている車のほとんどが現在、廃車になっていることが明らかになっています。

 また、情報を読んだあなたは、これがあなたの周囲だけで起きていると思うかもしれませんが、同じ情報が同じ時期に全国を回っているのです。そんな神出鬼没の当たり屋集団が存在しうるでしょうか?


偽情報だと言っている、この情報は信用できるんですか?

  このページは福島大学行政社会学部 社会心理学研究室に よる調査研究の成果に基づいて作られています。

 私たちは、偽情報がいかにして作られ、人々の間に伝達されていくのかを、社会心理学的立場から研究することを目的としています。より一般的な言葉で言うと流言の研究をしていることになります。

 このホームページでは、当たり屋情報が偽情報である可能性についての説明をしています。「当たり屋」の情報が偽情報であるのか、そしてそもそもこのページが信用できるものであるのか、それはあなたがこのページすべてに目を通したうえで、判断してください。

 もしも疑問などがあれば直接メールでおたずねく ださい。


新聞などで報道されたことがあるのでしょうか?

 私たちの手元には、最も古い記事として1986(昭和61)年 11月18日付の「読売新聞・丹後版」に掲載されたものから、最新の記事として1996(平成8)年11月5日付の「朝日新聞・宮城版」に掲載されたものまで、約15件の記事があります。

 1990年5月30日の「西日本新聞」の記事では、すでにこ の偽情報が4年前の焼き直しのものであること、さらに15台の 車のナンバーが追加されていることなどが述べられており、山 口県警が全国の都道府県警にデマ情報であることを通知し、こ の偽情報の打ち消しに躍起になっていることなどが報じられて います。

1994年3月24日付の「高知新聞」では、この情報が出回るのは既に4度目であることを指摘したうえで、警察にも取材してこの情報が偽情報であることを報じています。

 また、1996年10月12日付の朝日新聞では、この偽情報がイン ターネットによる拡大をみせていることを取り上げ、「デマメール」が電子社会の「鬼っ子」であると報じています。

   このほかのいくつかの記事を以下に掲載しておきます。

 1996年10月12日「読売新聞」大阪本社版の記事      

 このテーマはテレビでも取り上げられ、及ばずながら取材に協力しました。

1996年11月6日に放映された読売テレビ「ニュース・スクランブル」では取材チームがチラシに書かれているナンバーの車を徹底取材しましたが、該当する車は存在しないという結果になりました。

HBC「ほっとないとHOKKAIDO」で1997年1月28日に放映された『噂はこうして広がった』も同様でした。こちらは番組の様子がホームページになっていたのですが、残念ながら閉鎖されたようです。

 2000年1月13日「読売新聞」大阪本社版の記事でもとりあげられ、福島大学行政社会学部社会心理学研究室が取材に協力しました。


「当たり屋」情報の内容は?        

「当たり屋」の情報の内容は以下のようなものです。

1;「当たり屋」のグループが、近くに来ているらしい。  

2;車のナンバーは山口、関西方面のものである。     

3;2〜3台がグループになって行動しており、目標の車を定めると、前後に「当たり屋」の車で挟み込んで、まず後ろの車があおってくる。              

4;あおられたので、車間距離をとろうとスピードを上げると、突然前の車が止まる。(このとき、サイドブレーキで止まるのでブレーキランプがつかない。)      

5;事故を起こした場合、法外なお金をだまし取られるので、決してその場で示談をしないですぐに警察にとどけること。                     

といった内容に様々な尾ひれがつけ加えられ、さらに「当たり屋」の車のナンバー一覧であるとされるリストがついています。             


「当たり屋」って何?

 「当たり屋」とは、わざと交通事故を起こし、示談金をだま し取る人のことをいいます。

 俗的な話になりますが、「当たり屋」には2タイプあって、

1;体をぶつけて人身事故を起こすもの

2;車をぶつけて追突事故を起こすもの

がありますが、この情報は2;の車の追突事故とされていま す。


「当たり屋」のリストってどんなの?

私たちの手元にあるだけでもおよそ30種類以上のものがあ ります。リストの形態はおよそ統一されており、この偽情報が 確かに全国を伝達してまわっていることをものがたるものと なっています。       しかしながら、車のナンバーがちがっていたり、様々な情報が追加、削除されたりなどして、細かい点で見ると非常に曖昧な情報として伝達されていることがわかります。

最近、インターネット上にもこのリストがアップされていることを知りました。あえてリンクは張りませんが探せば見ることができます。うわさ研究の第一人者、成城大学の川上先生のホームページも参考になります。


ホントに研究してるんですか? 

はい。既に、福島市、八戸市、根室市、仙台市の4地点(調査日時順)で実際に調査を行っています。

また、みなさまから寄せられた実際のチラシが200枚をこえており、これらの情報が変化する過程の分析にも鋭意取り組んでいます。


成果を読みたいのですが・・・

 福島大学が発行している学術誌「地域研究」の第8巻(1996),59-71ページに「1996年春・福島の当たり屋情報」と いう論文を発表しています。

 1997年には、川上善郎、佐藤達哉、松田美佐「うわさの謎」(日本実業出版社)を出版し、その中に「うわさの検証−流言としての当たり屋チラシ」を掲載しました。

 1999年には、「現代のエスプリ」別冊として「流言、うわさ、そして情報」を編集・刊行しました。その中に「1996年春・福島の当たり屋情報」を一部再録しました。

 いまのところ、上記3つのうちのいずれかを読んでいただけるとうれしいです。             


福島大学行政社会学部 社会心理学研究室 

流言研究グループ

代表 佐藤達哉(助教授)

〒960-1296

a096@ipc.fukushima-u.ac.jp


当たり屋情報ページを見てメールしたよ!とご連絡ください。

メールはこちらへ(a096@ipc.fukushima-u.ac.jp)

主題・件名(subj)は文字化けする可能性があるので英字でお願いします 。


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