新潟大・集中講義「心理学史」
学部用・大学院用にそれぞれシラバスを提出しました。少しずつ違います。
学部用シラバス
平成12年度人文学部シラバス
<講義の概要>
歴史は何のために学ぶのか。
過去を知り、現在における行動の選択肢を増やし、未来を展望するためである。
この講義では、年表史観・英雄史観におちいることなく、日本の心理学の発展のさまを描くことが目的となる。現在の私たちが「何か心理学的なこと」を勉強しているとすれば、その起源はいつなのだろうか。あるいは、現在の私たちが「苦しめられていること」があるとすればそれはいつ始まったことなのだろうか。そういうことについて歴史という視点から考えてみたい。
<授業計画>
(通常の歴史の授業とは異なり)古い方からではなく、現在の様子、ちょっと前の様子、その前の様子、というように順次遡っていくスタイルをとる。
宣言的知識ではなく手続き的知識の習得を目的としているので、図書館やインターネットの実習を行うこともある。心理学史の歴史についての知識を集積するのではなく、歴史的思考についての手続き的知識を得ることで自分の行動の自由を増大させることができるようになるだろう。
<成績評価>
出席重視。講義終了後のレポート。
大学院用シラバス
平成12年度人文科学研究科シラバス
日本の心理学の展開を見通すことで、自分たちの研究の未来を展望できるようになることがこの講義の目的である。現在の日本の心理学について科学社会学的視点から検討し、そのようなシステムが作られてきた様相について、順次時間を遡っていく。したがって、通常の歴史描写とは異なり、古い方から編年体で検討することはしない予定である。
講義は佐藤・溝口(編)『通史 日本の心理学』(北大路書房)を用いて行い、必要に応じて図書館やインターネットを用いた実習を行う予定である。心理学史について、宣言的知識ではなく手続き的知識の習得ができるように配慮したい。
テキスト 佐藤・溝口(編)『通史 日本の心理学』(北大路書房)
参考文献 大山・梅本(編著)『心理学史への招待』(サイエンス社)
サトウ・渡邊・尾見『心理学論の誕生』(北大路書房)