2000年度

福島大学行政社会学部・佐藤基礎演習(2年生履修)

テーマ:「普及過程の記述」

目的:CD売り上げデータの入力と統計処理を通して「流行・普及」について考えます。ついでに「うた」とは何かも考えてみたいです(作業は情報処理センターのIPC2という部屋で行います)。

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2000.12.11.忘年会の模様(1次会・2次会)


ゼミの概要;「学習案内」より

 あるモノや事柄、行動様式や思想が、流行ったり廃れたりする過程、伝わっていく過程を、「普及学」という見方から検討する。

 最初の具体的な検討素材としては、タレント・アイドルのCDセールスを考えている。CDの売り上げは、歌手や楽曲の普及過程に他ならないからである。

 ここで、CDの売り上げ枚数を普及過程として記述することは、「なぜある歌手のCDが売れるのか?」を検討することを意味するわけではないし、「どんな曲が人々に受け入れられやすいのか」を検討することでもない。CDが「どのように」売れているのかを丹念に記述していくのが目的なのである。

 具体的には、『オリコン』の毎週の売り上げデータの資料を用いて、様々な楽曲の売り上げ枚数を手分けしてデータ入力し、その推移をグラフ化するなどして記述し、売れ方(普及の仕方)のパターンを見出そうとするのである。したがって、この演習では、パソコンなどを用いたデータ入力・データ処理や表現法について割く時間が多くなるだろう。

 テキストを用いて「普及学」について学ぶ時間も設ける予定である。

 なお、取り上げる素材としては、、新聞見出しによる事件の取り上げ方の推移、大学内のうわさ、大学内外のファッション、なども考えている(何をとりあげるかは参加者の意向にもよるので柔軟に考えたい)。

テキスト:宇野善康 普及学講義 −イノベーション時代の最新科学− 有斐閣選書

参考文献:川上・佐藤・松田 うわさの謎 日本実業出版社

評価方法:欠席せずに、データ入力や文献発表などを地道に行う人への評価が高い。

学生へのメッセージ:パソコンを使ったデータ入力や統計処理が中心です。しかし、パソコンの操作が苦手だったり、計算とかが嫌いな人でも、この演習を通じて習得しようという気概があればオッケーです。作業は地道ですが、その成果は興味深くかつ素晴らしいものになると確信しています。


佐藤達哉(社会心理学研究室)  福島大学行政社会学部