社会調査論研究室(今西専門演習)・2018年度の活動紹介

2019年03月27日 [カテゴリー:ゼミ]

 社会調査論研究室では「都市の再生と住民による『まちづくり』」をテーマとして、縮減する都市の問題を考えています。この2018年度は4年生3名による少人数の活動でしたが、フィールドワークや卒業研究に積極的にとりくみました。
 特に今年度は中心市街地の遊休空間の利活用問題から、都市の再生について考える機会を複数設けました。まず6月には大型店の閉店と出店の狭間で揺れる既存商店街の問題について、いわき市小名浜地区でのフィールドワークを行いました。


(開店間近となった大型店の施設を確認。6月。)

 引き続き前期から後期にかけては、商業施設の公共施設への転用について、白河市を中心事例として聞き取り調査や現地踏査を行いました。調査結果は論文としてまとめ、毎年度同様、学生論集『嶺風』に投稿しました。


(白河市「マイタウン白河」での施設見学。10月。)

 中心市街地の衰退と再生の問題は、郊外と表裏をなす都市構造の問題です。そこで、夏季休業期間に大都市部で行う「ゼミ合宿」では多摩ニュータウンを検討対象として、郊外住宅団地の再生について考えました。2日間のフィールドワークでは多摩市内でのNPOによる団地の居場所づくりの実践や、八王子市による政策的な対応について聞き取り調査を行いました。また、ニュータウンの特徴的な住宅や街区の構成を確認しました。


(多摩市永山団地での聞き取り調査。9月。)

 こうした共同研究に加え、社会調査論研究室では前期・後期に1冊ずつ文献を読み、都市計画の基礎的な理論や方法を学びます。今年度は後期の文献で取り上げられていた、石巻市中心市街地での「まちなか」再生のとりくみについて現地見学も行いました。


(石巻市中心市街地における小規模連鎖型再開発の見学。12月。)

 そして、今年度は4年生による活動であったことから、特に後期は卒業研究にも力を入れました。毎年度末には「公開研究発表会」を開催し、成果の報告も行っています。


(公開研究発表会における卒業研究発表。2月。)

 以上のような年間の活動を通じて、社会調査論研究室では調査結果を論文やフィールドノートとしてまとめたり、文献の書評を執筆したりします。すべてのレポートは『年報』としてまとめ、発行しています。


(2018年度『年報』発行。3月。)

 新年度からは新しいメンバーによる活動となりますが、引き続きフィールドワークや文献研究を通じてテーマへの理解を図っていきたいと思います。今年度も研究や調査を通じて学外・学内の多くのみなさまのお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。引き続き、新年度からもよろしくご指導ください。

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