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行政政策学類での地域の学び方―国際交流を通じて地域をつくる
2019年03月20日 [カテゴリー:ゼミ]
「地域を学ぶ」、「地域を創る」には、さまざまな方法があります。
国際交流はその一つであり、国際交流を通じて、自分たちの地域を、比較の視点でより客観的に見直すことができます。
また、交流を通じて2つの地域をつなぐことで、私たちの「地域」をより豊かなものにする可能性をひらくことにもなります。
国際交流は、地域づくりにはなくてはならない方法であり、行政政策学類でも、地域間の国際交流がより活発になるよう、さまざまな試みを続けています。
2018年度の最後、3月7日から13日までの日程で、行政政策学類の村上専門演習(4年)と大黒教養演習(1年)、大黒専門演習(4年)の総勢34名が、台湾の台北と高雄を訪れました。台湾研修旅行です。
台湾は、東アジア経済の発展を担うとともに、日本も含む東アジア交流圏において重要な役割を果たしています。近年の日本における台湾旅行ブームはすさまじく、また、台湾からも多くの人々が、日本に、そして福島にもやってきています。韓国、中国とともに、台湾は日本にとって身近で、最も重要なパートナーの一つです。
私たちの台湾研修旅行の目的は3つ。
一つは、東日本大震災の際に台湾のみなさんから寄せられた善意と温かい心遣いに、感謝を伝えること。
二つ目は、2018年に台湾・花蓮で起きた大きな地震へのお見舞い。
そして、三つ目に、福島と台湾との間で、将来につながる関係をつくるための交流を深めること、です。
私たちのパートナーは、福島大学と交流協定を締結している国立台北大学(新北市)と文藻外語大学(高雄市)の2つです。
国立台北大学では、災害と都市計画を研究している大学院生たちの前で、「福島の今」について報告しました。目的の第一、支援へのお礼を兼ねた報告です。
文藻大学からの留学生に、通訳に入っていただきながらの報告です。
大学院生からは、福島にする私たちにとっては答えにくいものも含め、多くの質問をいただき、双方で活発な意見交換ができました!
報告会のあとは、台北大学で日本語や日本社会を勉強している人たち8名と、大学近くの三峡老街でのフィールドワークに出かけました。
台北大学の学生さんはとても親切で、フィールドワークにお付き合いいただいただけでなく、日本でもおなじみの観光地、九份にも付き合ってくれました。電車内でみんなでやった「あやとり」は、おもいのほか、盛り上がりました。
台北大学の学生さんたちが連れていってくれた台北市内の小籠包やタピオカのお店は、地元の人でなければ分からないところばかりでしたし、夜市でのフィールドワークでもアドバイスをいただきました。私たちは、台北の一市民になって、街を存分に楽しむことができました。最後には、高雄行きのバスターミナルまでお見送りに来ていただき、台北大学のみなさんの優しさに心打たれました。
台北から高雄への移動は、高速バスでの5時間の旅。高雄市での交流は、文藻外語大学の日本語学科のみなさんたちがパートナーになっていただきました。
(文藻外語大では、福島大学生歓迎の電光掲示板が...)
「福島の今」についての報告、そして、花蓮地震へのお見舞いと義援金の贈呈(研修旅行第二の目的)に続き、班別での交流企画です。どれもこれも、参加者全員が夢中で取組み、最後にはとても仲良くなれました!
(両国の学生がお互いに向き合い相手をじっくり見ながら...似顔絵描き)
(福大生は「春眠不覚暁」、文藻外語大生は「春はあけぼの」を書道で表現)
(高雄市の1日デートプランを作る...そして明日はご一緒に)
(跳びながらでもできる国際交流!)
(交流の総まとめ!)
交流を通じて仲良くなった福大生と文藻外語大生は、その後、グループにわかれ、それぞれ町にくり出しました!そして...高雄という町と地域をディープに知るためのフィールドワークです。さまざまな活動を行いましたが、一つだけご紹介すると...
「町に溶け込み、そこに長年住んでいる人たちと区別がつかないほど地域と一体化できるか」、を競うフィールドワーク、「福大生を探せ!」です。
この画像のなかに、福大生がひとりだけ、紛れ込んでいます。現地の人との区別がつくでしょうか?高雄に溶け込む福大生、です。
その他にも、高雄市内の三民公園で、おばあちゃんおじいちゃんグループに見本を見せてもらいながらやった、太極拳。文藻外語大生を主人公とした4コマ漫画の作成。台湾伝統料理を作るワークショップへの参加、レンタサイクルを借りたサイクリング、そして、夜市での地域料理チェキラリー、などなど、多くのフィールドワークや活動を行いました。
台湾研修旅行の第3の目的は、福島と台湾の間で将来につづく関係を築く交流をすることでした。さまざまなフィールドワークや協働の活動を通じて、行政政策学類生と台湾の2つの大学の学生たちは、本当に仲良くなりました。
そして、台湾のみなさんから...ぜひ、今度の6月末には福島を訪れたい、という提案をいただきました!台北や高雄を、「住んでいるかのように旅する」ことを可能にしてくれた皆さんを、今度は私たちが、福島を舞台にして受け入れることになります。
台湾の学生さんたちを迎えて、福島の何を体験してもらうのか。もちろんそのためには、福島の町や地域をよく知り、楽しみ、生活していなければなりません。
また、台湾の学生さんたちという強い味方を得て、福島の「地域」で何ができるのか―台湾とのつながりを活かした地域づくりとは?
どちらも重要な課題であることは間違いありません。この課題は、1週間の研修旅行を通じて台湾のみなさんからいただいた学びの機会だと考えています。
国際交流を通じて地域を考え、地域をつくる―福島大学行政政策学類らしい取り組みです。