佐々木教養ゼミが奥会津・三島町早戸地区の地域資源を調査

2012年11月23日 [カテゴリー:ゼミ]

  • 2012年度佐々木教養ゼミ(1年ゼミ)は、地域資源を生かした地域づくりについて考えています。その学習の一環として、奥会津・三島町早戸地区で毎年11月10日に行われる伝統行事「虫供養」に参加し、また、早戸地区の住民が古くから守ってきた石仏や祠をつないだ「神々の道」を生かした地域づくりについて調査してきました。
  • 虫供養は農作業などによって命を奪われた虫たちを供養するもので、三島町では早戸地区だけに残されている伝統行事です。
  • 三島町は、過疎・高齢化に悩まされていますが、てわっさ(手技)の里、桐の里として有名な町で、この町で作られる編み組細工をはじめとした様々な生活工芸品の素晴らしさは全国的に知られています。http://www.okuaizu-amikumi.jp/
  • 早戸地区は、過疎・高齢化に悩まされる三島町の中でも、特に高齢化率が高い限界集落ですが(60%をこえます)、地区の方々が昔から守り続けてきた数多くの石仏や祠を結んだ「神々の道」、「早戸温泉つるの湯」などの地域資源を生かした地域再生に積極的に取り組んでいます。

朝、大学を出発して、まず最初にやってきたのは三島町の生活工芸館。虫供養が行われる時間まで少し余裕があったので、休憩もかねて見学させて頂きました。

三島町は草や木の皮などで作った編み組細工や桐製品で有名な町です。

手仕事によって作られた素晴らしい生活工芸品が並んでいます(購入も可能です)。

ヒロロ細工や山ブドウ細工も展示されています。完成までにはかなりの時間と手間がかかるそうです。

2階では工芸品を作る作業の様子を見ることができました。写真はろくろを使って木を削っているところです。

作っていたのは木製のスプーンです。1本作るのにほぼ1日かかるそうです。

作業を見学するゼミ生たち。興味津々の様子です。

ろくろにかける前の木を手で粗く削る工程を体験させていただきました。

生活工芸館を見学した後、早戸地区に向かいました。この写真は早戸地区の集会場の前で虫供養の説明を受けているところです。

早戸地区の虫供養では、この鉦を先頭にして、音を鳴らしながら供養を行う石碑まで歩いていきます。

石碑にささげる花などをもった住民の皆さんが集まってきました。

いよいよ虫供養の始まりです。

途中で虫供養の石碑にささげる小菊をとっているところです。虫供養が地区の生活とともにあるということが感じられます。

虫供養の石碑に到着すると、まずは住民の皆さんが供養を始めます。

続いてゼミ生たちが供養を行います。

花をかざり、線香をあげ、鉦を鳴らします。

これが虫供養の石碑です。以前は木製の供養塔でしたが、雪深い早戸地区では傷みが早く、石碑になったそうです。使っているのは飯舘村の石で(飯舘村は石の産地として有名)、石を削って加工したのも飯舘村の職人なのだそうです。

供養が終わるとお菓子の入った袋を頂きました(^^)

地元産の美味しいかぼちゃも食べさせて頂きました。とっても甘くて味が濃厚です。

どうやら「赤かぼちゃ」という名前のかぼちゃのようです。早戸温泉つるの湯でも売られていましたので、お土産に買って帰りました(^^)

かぼちゃはゼミ生たちにも大好評で、みんな旨い旨いと言いながら食べていました。

虫供養が終ったあと、「神々の道」を歩きました。早戸地区には昔から地区の住民が大切に守ってきた約30の石仏や祠などがあります。神々の道を歩くと、早戸地区に残るこれらの歴史的な地域資源と奥会津の豊かな自然を楽しむことができます。

限界集落である早戸地区に少しでも多くの人が足を運び、そしてまた、地区の宝である石仏や祠が今後も維持され、生かされていくことを願い、県のサポートなどを受けて整備を行っているようです。

「神々の道」の石仏や祠を解説したパンフレットもあります。

これは昔山城があった場所から見た風景です。只見川と早戸温泉つるの湯を見下ろすことができます。将来はここに公園ができることになっています。

少し雨が降っていましたが、只見川を見下ろす素晴らしい風景にゼミ生たちも感動していました。

素晴らしい紅葉も見ることができました。

神々の道はアップダウンがあって、歩くといい運動になります(^^;)

毎年ゴールデンウィークごろに花を咲かせる太郎桜。虫供養を行った石碑の前にベンチがあって、そこから太郎桜を見ることができるそうです。春になったら花見に来たいですね。

神々の道を案内して頂いた地元の方から、説明を受けているとこです。

これは金毘羅様と秋倭様。金毘羅様は水上安全、道中安全を祈って祀られているそうです。かつてこの地区の人々の暮らしが只見川とともにあったということを感じさせてくれます。

神々の道は、途中木道が整備されているところもありますが、ただの山道の部分もあります。アップダウンも結構ありますし、やや険しい場所もあります。

この稲荷様に到着すると、早戸地区の集会場までもうすぐです。

かつて養蚕に使われていた道具だそうです。

早戸地区では、神々の道を訪れた人たちが休憩したり、地区内でイベントを開いたりするために、空き家になっていた古民家の再生にも取り組んでいます。

古民家再生の説明を受けているところです。

最後に早戸地区の集会場に戻って、地区の方々が昔から守り続けてきた数多くの石仏や祠を結んだ「神々の道」、「早戸温泉つるの湯」などの地域資源を生かした地域再生について説明を受けているところです。

最後のしめくくりはやはり早戸温泉つるの湯。素晴らしいお湯と只見川を眺めながめながら入る露天風呂にゼミ生たちは感動したようです。

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