「『社会的弱者』の権利擁護とその方法」の先進地視察

2011年02月26日 [カテゴリー:学際科目]

* 本学類では、既存の学問分野の枠にとどまらない、多様な視点をもった人材を育成しようとしています。そのための取り組みの一つとして、2010年度から、学術横断の面白さを知ってもらうべく、様々な学問分野の教員が一つの問題について講義を行う「学際科目」を開講しています。
  • そのうちの一つである「『社会的弱者』の権利擁護とその方法」では、高齢者・障がい者や貧困層など、福祉的支援を必要としている人(「社会的弱者」)の権利を擁護していくために必要な実践的スキルを、法学と社会福祉学の双方の視点から、また、理論と実務の双方の観点から学びます。
  • そのため、本学類の教員に加え、実際に権利擁護の現場で活躍している専門職の方々にも講師になっていただいています(司法書士、社会福祉士、看護師など)。また、先進的取り組みを実施している地域への視察といった「実習」を、カリキュラムに組み込んでいます。
  • 2010年度の先進地視察として、2月4~5日にかけて、岩手県盛岡市の成年後見センターもりおかと、同宮古市のレンボーネット宮古にお邪魔し、それぞれの権利擁護ネットワークの取り組みについて、お話を伺いました。

           (盛岡写真)

* 2月4日に訪れた盛岡成年後見センターでは、知的障がい者の親の会から出発した同センターの設立の経緯と現状、今後の展望について丁寧にご説明いただきました。知的障がい者に対象を限定した法人後見の長所と限界や、財政面・自治体との連携面での現状と展望について、活発な議論が交わされました。

(注:成年後見制度とは、判断能力の十分でない人の財産管理や身上監護を、本人とは異なる「後見人」と呼ばれる人が行う制度です。「法人後見」とは、後見人を法人が担うという意味です。)

(宮古写真) 

  • 2月5日に訪れたレインボーネット宮古では、宮古圏域の特徴から始まり、障がい者支援の官民協働ネットワークであるレインボーネットの形成経緯や、宮古圏域における障がい者支援体制の枠組み、宮古圏域法人成年後見センターの構想に至るまで、詳細にご説明いただきました。障がい者と高齢者での対応の相違、ネットワークの職員体制、地方における今後の法人後見のあり方になどついて、活発な議論が交わされました。

(懇親会写真)

  • なお、本科目は、学類生向けの「学際科目」であると同時に、大学院生向けの「特殊研究」でもあり、かつ、福島大学権利擁護システム研究所の「公開講座」として、一般市民にも公開されています。多様なバックグラウンドを持った受講生同士の交流を図るべく、2月4日の夜には、懇親会も開催されました。
  • 同講座は、来年度前期にも開講されます(詳細はこちら)ので、興味を持たれた方は、是非ご参加ください.

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