創刊の辞

福島大学は、発足以来教育・経済の二学部構成であったが、学内外の長年の努力の結果、昨年10月に新しい学部として「行政社会学部」が発足し、本年4月より学生を迎え入れることとなった。

行政社会学部は、「行政学科」と「応用社会学科」の二学科からなる全国で初めての特色ある学部である。行政学科は、新時代における地域の行政のあり方の探求を中心に、法律・政治・行政についての総合的な教育研究を行う学科であり、応用社会学科は、新しい地域づくりの基礎理論とそのための幅広い応用力を養うことを目的とした学科である。また、両学科を通じて、社会情報に関する基礎的教育研究を重視していることも本学部の特色の一つとしてあげることができる。

このような構成からなる行政社会学部は、学科および個別科学の独自性・専門性を尊重しつつも、「経済社会情勢の進展に伴って生じてくる地域社会の諸問題を、広く学際的立場にたって研究・教育し、新しい地域社会の担い手を養成する」という共通の理念にたって、学部としての一体的な教育・研究を追求する「新しい学際的学部」である。私達は、このような学部理念の研究面での実質化を図るため、学部発足に合せて学術研究組織として「行政社会学会」を設立し、会員各人の研究の深化と相互の研究交流の促進に努めているところである。その研究成果を世に問い、広く学界の批判を仰ぐため、機関誌「行政社会論集」を刊行することとし、ここに学部の発足を記念して創刊記念号を発刊することとなった。本誌が、ささやかであれ、学問水準の向上に寄与することができれぱこのうえなき喜びである。

福島大学行政社会学部長
大谷明夫

行政社会学会

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